在韓5年目、韓国語もだいぶできるようになり、子どもも3歳になりました!
そろそろ働こうと思った私が活用したのが国民就職支援制度(국민취업지원제도)です。
韓国の雇用労働部の制度で職業相談→職業訓練→就職斡旋といったサービスを受けることができます。
支援金を頂きながら、職業訓練を受けられてあわよくば就職までできるという夢のような制度です。
サービスを受けられる対象には、F6ビザ(結婚移民ビザ)で韓国に滞在している方も含まれているので、韓国で就職したいけど何からはじめたらいいかわからない方はぜひ一度利用を検討してみてください。
サービスの申し込み方
国民就職支援制度(국민취업지원제도)を利用したい方は、近所の申し込み先を直接訪問して職員の方にサービスを利用したいと伝えてください。
サービスの申し込み先
基本的に就業中の方は申請できません。
私は個人事業主をしていたのですが所得が生じると話がややこしくなるので、この機会に休業申請をして所得ゼロ状態にして申し込みました。
私は娘を保育園に送ったある日、ふと「今日行っとこうかなぁ」とアポなしで女性人力開発センターを訪問しました。
まずは制度の簡単な説明や申し込みに必要な書類について話を聞き、後日申し込みに必要だと言われた書類をメールやカカオで送りました。
韓国って書類のやり取りがカカオとかメールでも許されるから好き。
必要な書類は家族の財産(不動産等)や所得に関するものも含まれるので、旦那さんにも協力してもらいながら揃えましょう。
サービス類型の決定
申請から約3週間後に雇用センターから電話がきてⅡ型に通ったとお知らせされました。
国民就職支援制度にはI型とⅡ型があります。
I型かⅡ型かに分類されるかは家庭の財政状況によって決められます。
Ⅰ型は支援開始から支援開始から6か月間は日本円で5万円/月ほど支援金が受けられるそうです
(最大30万円支給)
Ⅱ型はそこまで手厚い支援金はもらえなかったのですが、私もなんだかんだ支援を受けている間、プログラムの参加支援金として全部で8万円ほど頂きました。
それに加えて、職業訓練の学費6万円相当も無料になりました。
無料で学べ、お金もらえて夢のような制度であります。
支援の流れ
初訪問日にすることと課題
プログラムの参加が決まったら、申し込みをした機関の担当者から連絡があるので、訪問日を決めます。
初日の訪問では担当者と以下の内容を行います。
次回の訪問日までに課される課題は以下の通りです。
①職業マッチングテスト(※워크넷 で行う職業適性検査、所要時間60分)
②就職講座への参加への申し込み(対面・オンラインで開催される就職に関する講座への参加)
③職業訓練学院調べ(※HRD-Netにて検索)
これらも面接時に詳しく説明されるので、自宅に戻って適性検査を受けたり、オンラインの講座に参加したりしてください。
私が参加した時はコロナ渦で講座にはオンラインで参加しました。
オンラインでどこの地域の講座でも受講でき、全国の受講希望者がめぼしい講座の予約の争奪戦になるので、予約を取るのに苦労しました。
2回目訪問時にすることと課題
1回目の訪問の1週間後に再度センターを訪問し、課題を提出します。
2回目の訪問では担当者と以下のことを行います。
3回目の訪問までに課される課題は以下の通りです。
希望職種の決定、就職活動計画書を作成、求職活動内容書作成(希望職種の求人情報を書き写したもの)、就職講座受講確認証提出、農業銀行か新韓銀行の口座を開設する
難しそうですが、きちんと資料をもらえますし担当者が詳しく説明してくれるので言われたことをやって、キチンと課題を提出すれば大丈夫です。帰宅後、やりながら生じた疑問はKAKAOで聞いて解決しました。
3回目以降の訪問では
就職活動計画書が受理された後は今後の流れを担当者と相談し、いよいよ職業訓練学校に通い始めます。
私は前職が看護師だったこともあり親和性の高い療養保護士(介護士)の資格を取ることにしました。
学校に通う・資格を取る
就職で必要な資格を取るための学校に通い始めます。
私の場合は1か月半、9時から17時まで授業を受けて、国家試験(2022年11月)を受けました。
無事合格しました。
前職は看護師でありますが韓国では無資格なので療養保護士の資格がなければ仕事を探すことが難しかったのですが、資格を取ったことで対象となる求人情報が増えました。
子育て中ということもあり、日本人を対象とした求人を狙うとかなり少なく勤務地が遠方になりますが、韓国人と対等に働ける資格を取ると見える世界が変わってきました。
就職斡旋サービス
職業訓練後は担当者と面談し、追加で受けたい職業訓練がないか等話し合います。
ない場合は、引き続き就職斡旋のサービスを受けます。
私は日本に一時帰国したり、娘が保育園から幼稚園に進級したり、ビザの更新があったり、私生活がドタバタしていた時期だったので、就職は2023年の3月以降にしたいなと思っていました。
そこで、少し時間が空くので自費で運転免許の試験を取ることにして、就職を猶予してもらいました。
韓国の運転免許試験をすべて一発で合格した私の必勝法はこちらから↓
その間、月に1回ほどはKAKAOで担当者から「この求人情報に応募しませんか?」と連絡が来ますが、その求人情報が微妙(家から遠い)だったので、運転免許等を理由にお断りしました。
担当者も職業斡旋をしなければいけないという業務の一環なので、求人内容が気に入らなければお断りして大丈夫と思います。
娘の進級、私のビザ更新等、心配がすべて片付いた段階で自分で워크넷で求人情報を検索し、応募、1件目の応募ですぐ就職が決まりました。
人手不足のこの業界、すぐ決まると思ってましたよ。
就職後のインセンティブ制度
国民就職支援制度の受給者の就職率を上げるため、求職者と会社側の双方にメリットがある制度もあります。
有料インターンシップ
就職したいけど働くイメージがつかないという方に、このプログラム参加者に向けてインターンシップ制度があります。
インターンで就職すると会社と求職者に支援金が入ります。
ある会社が私が支援制度の対象者だと知って、双方メリットあるから3か月のインターンシップに来ないかと誘ってくれたのですが、気が乗らなかったのでお断りしました。
その他にも資格は取ったけど社会に一歩踏み出すのが怖い人のために、給料有で短時間のインターンシップをさせてくれる会社等もあります。
就業に期限があるインターンシップいいなぁと思って求人検索してみましたが、めぼしい会社が見つからず断念しました。
就職成功報酬
結婚移民(F6ビザ所持者)でこのプログラムを利用した方であれば(雇用条件によりますが)
勤続6か月→50万ウォン、
勤続1年→100万ウォンの支援金をもらえます。
私はこの制度を利用して6か月が経過し、無事50万ウォンGETしました
この制度を利用するデメリット
職業訓練校の出席は厳しく管理される
税金で運営されている制度なので、学校の出席などはかなり厳しく管理されます。
登下校時間は職業訓練場についた際に自分専用のカードを押すことで管理され、遅刻・欠席などが繰り返されると支援が受けられず試験の受験資格ももらえません。
自費で学院(職業訓練校とよばれる塾)に通う人は学校と話がつけば割と自由な時間に授業を受けられるので、私情で頻繁に遅刻・欠席を繰り返しそうな方は、自費で学校に通ったほうがいいです。
わたしも子育て中で大丈夫かなと不安になりましたが、療養保護士の学校は1か月半で授業が終わるので何とかなりました。
就職のプレッシャーを受ける
資格取得後は就職しないといけません。
他の機関を通してこの制度を受けた方はどうだったかわからないのですが、私の場合は女性人力開発センターの支援担当者から「就職のことどうなってますか?」「この企業に応募したらどうですか?」と頻繁に連絡が来たので、まあまあのプレッシャーを受けます。
就職を急かされたくない人は、この制度の利用はすこし考えられた方がいいかもです。
まとめ
2022年6月に女性人力開発センターをノーアポで訪問して、はや9か月。
学校に通ったり、国家試験を受けたり、いろんな経験をしてきました。
こういう挑戦ってやっぱり一人じゃ難しい。
国民就職支援制度を利用したから義務感で最後まで駆け抜けてこられたんじゃないかと思います。
担当者とのやりとりが負担になったりもしたけれど、あれがないとなんだかんだ言い訳して就職しなかったかもしれないし。
再び社会復帰することへの背中を押してもらいました。
仕事をするのは実はちょっぴり怖いけど、韓国人の血税で支援してもらった恩を、また税金で韓国社会に還元できたらと思います。
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