
韓国で介護士をしている「わたし」です。
韓国人の夫と結婚し、2018年に韓国語0の状態で韓国にやってきて、2023年から介護士として働いています。
私が5年間で経験した3つの仕事について書いた記事です

4歳の娘を育てながらそろそろ韓国で働きたいなぁと思っていた私は、国民就職支援制度を利用して요양보호사 の資格を取得し、韓国の老人ホームに就職しました。
国民就職支援制度:支援金をもらいながら資格を取って就職できる制度です

この記事では韓国で介護士になるにはどんな資格を取って、どのように求職すればいいかご紹介したいと思います。
韓国の介護業界のはなし
韓国の介護保険制度はかなり日本の制度を模倣しています。
特定疾患や認知症等を患うご老人が要介護・要支援認定を受け、1~5の等級分けをされます。
本人・家族の希望により在宅でサービスを受けたり、介護施設で生活したり選ぶことができます。
日本の介護保険制度を学んだ方であれば、理解がしやすいでしょう。
ちょっと違うのが日本では40歳以上の労働者から介護保険料を徴収しますが、韓国は年齢関係なく就労者のすべてから介護保険費を徴収します。

30代の私の給料からも요양보험(介護保険)の名目で控除されてます。
介護士が活躍できる職場としては、主に以下の三つがあります。
①訪問ヘルパー(在宅)
②老人ホーム等の施設
③デイケアセンター
私は今、韓国の老人ホームで働いています。
仕事はオムツ交換や入浴介助、体位変換、食事介助等の日常生活支援です。
韓国では、看護師と介護士の分業がかなりはっきりされています。
韓国の看護師は医療行為に専念し、日常生活援助は介護士が行います。
韓国の介護士は요양보호사(療養保護士)と呼ばれ、主に50~60代の女性がその仕事を担うことが多いです。

私は30代ですが、職場ではダントツの若さです。
臭い、汚い、きつい等の理由で、韓国の若者は介護士をやりたがりません。
しかし私は前職が日本の看護師でこれらの仕事を20代のころからやっていました。
だから偏見なく普通に仕事をできます。
韓国の職場では「きついでしょう?続けられそう?」と聞かれますが、正直、日本の看護師の方が精神的にも肉体的にもきつかった…。
韓国の労働者はいい意味で滅私奉公を良しとしないので、サービス残業ゼロ!!
(10分前に職場到着して、終業5分前に着替えて、定時ダッシュしてます。最高!!)
就業中も暇な時間は同僚とおやつたべたり、携帯見たりできます。
働くときは、まじめに働き、休むときはだらっと休む。

私は日本より韓国の職場の方があっていると感じる。
韓国の介護士の資格を取る方法
韓国で介護士として働くには요양보호사 という国家資格を取得しなければなりません。
学歴不問で受験はできますが、外国人であれば訪問就職(H-2)/永住(F-5)/在外同胞(F-4)/結婚移民(F-6)のビザを持っていなければなりません。

私は結婚移民(F-6ビザ)です。
資格自体は比較的短時間に簡単にとれます。
私は2022年夏ころ、週5毎日8時間授業を1か月半(240時間)受けて資格を取得しました。
授業の内訳は、座学 80時間、実技 80時間、実習 80時間 です。

ちなみに、この240時間の授業は近年中に320時間になるという噂があります。
学費はだいたい6万円です。学校によって若干差があります。
私は韓国政府の支援を受けたので学費がタダになりました。
学費がタダになるかも?わたしが利用した就職支援制度について書いた記事です

授業をすべて受講したら、学校がまとめて試験に申し込みしてくれます。
試験は4択の80問で6割以上の得点をとれば合格。
この試験の合格率は90%です。
韓国語が苦手な方も、過去問をやりこめば一発合格できる試験です。
授業は座学が中心で、コロナ禍で実習もすべてビデオ学習になりました。
介護って座学より実習や実技の学びの方が役に立ちますが、学校ではそれは全然学べなかったと思います。
老人ホームに就職して2か月。
日本で看護師をしていた経験を基に仕事してます。

前職の経験があるから初月から戸惑うことなく職場の即戦力になれました
前職が看護師や介護士の方は、韓国の老人ホームで働くことはお勧めできます。
そうでない方は、はじめは戸惑うと思いますが、韓国の世話好きな介護士の先輩が教えてくれると思いますよ。
こうして資格を取得したら、次は求職です。
求職の方法
求職は国民就職支援制度を利用している方は 韓国の雇用労働部が運営している就職サイトwork net を利用するか、お近くの雇用センターに出向いて紹介してもらうといいでしょう。

私はwork net で仕事探しました。
その他にも一般の求職サイトでもキーワード「요양보호사」+地域で検索すると近所の求人がヒットすると思います。
施設の場合は2交代、3交代勤務で1日8時間勤務が多いです。
私は子どもが小さいので日勤専属の職場で働いてます。

施設で働く場合、手取りは18~23万程度だと思います。夜勤をすれば大目にもらえます。
訪問介護は、近所の対象者の家を訪問して、3時間程度、介護計画に沿った援助を行います。

やったことないけど、子育ての空いた時間にできるので魅力的。在宅の仕事は掛け持ちすれば、月収20万いく可能性もあり。
デイサービスはご老人を自宅⇔施設の送迎をする必要があり、運転免許必須の条件で求人が出ていることが多いです。

私は人を乗せて運転できないので、デイケアは検討したことない。
ご自身の状況に合わせて勤務形態を選びましょう。
外国人が介護士になるメリット
韓国で外国人が介護士になるメリットについてお話しします。
資格さえ取れば働く場所は多い
日本語教師や日本人対象の職場を選ぼうとすると、勤務地が遠方になりますが、介護士の仕事なら近所にいくらでも働ける場所があります。
私はチャリで15分くらいの職場で働いてます。
職場の雰囲気が合わなかったら辞めて別の場所をさがせばいいし、どこでも働けるという心理的余裕が生まれます。
日本人を対象にした職場はソウルや都市部にしかないとあきらめていましたが、介護士の仕事なら韓国どこにでもあるので、日本人でも雇用してもらえます。
給料不払いトラブルが少ない
韓国の中小企業は起業・倒産が頻繁にあり、給料不払いの被害もよく耳にします。
しかし、介護業界の財源のほとんどは公費から支払われるので事業所に毎月きっちりお金が入ります。
そこから社員に給料が支払われるので、よほどむちゃくちゃな経営をしていない限り給料不払いトラブルは起きないと考えられます。
うちの施設は10年以上働くベテラン介護士が数名いるけど、給料の遅れや不払いが起こったことは一度もないと言っていたので安心しています。

日本語学校やベンチャー企業で働くより、公費が主な財源で賄われる介護施設で働いたほうが安全性は高いと私は考えます
外国人でも採用される可能性が高い
資格を取る前に調べたんですが、韓国では結婚移民や脱北者は介護士になる人が多いそうです。
つまり韓国語がネイティブレベルでなくても、雇ってもらえる可能性が高いということ。
この年齢で資格とるなら時間がもったいないんで確実に就職できる資格を取ろうと思い私は介護士の資格を取ることにしましたが、この選択は正解でした。

いまんとこ面接で落とされたことはありません。
仕事の内容は複雑ではないので韓国語が完ぺきではない外国人を採用しても大丈夫かも?と雇用主が思うんじゃないでしょうか。
それから介護士のなり手が少ないんで、外国人でも雇わないと現場が回らないんです。

日本でも最近外国人の介護士が話題になってますよね。
諸々の状況から外国人でも採用される可能性が高いと思い、この仕事を選びました。
私の場合はいまんとこストレスなく、楽しく働いてます。
まとめ
以上、韓国で介護士になるための方法やメリットについてお話ししました。
「反日」感情が気になる方もいるかもしれませんが、私は今のところ職場で日本人であることで利用者さんになんか言われたことはありません。

私の場合は、家族以外の誰かに「コマウォヨ(ありがとう)」と言われ感謝されて、最近自己肯定感が爆上がりしてます。
この資格は後々、家族や夫の介護を自分がする際も支援金を受け取ることが可能(가족 요양 제도)なので韓国に永住予定の方は取っておいて損はないでしょう。
資格取得可能なビザをおもちで興味がある方は、ぜひチャレンジしてみてください。
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