韓国で育児休暇制度を使えることになりました。

私は韓国で介護士をしている日本人元看護師です。
娘が幼稚園に入ると同時に介護士として近所の老人ホームで仕事を始めました。
今回、子どもが小学1年生になるタイミングで、私は仕事を辞める決断をしていました。
しかし調べていく中で、韓国では雇用保険に加入していれば、正社員に限らずさまざまな雇用形態でも育児休暇制度を利用でき、外国人であっても手当を受け取りながら育児ができることを知りました。
正直、この制度を知らなければ、そのまま退職し、大きな損をしていたと思います。
韓国で働く日本人、特に女性や介護職は、日本語で得られる制度情報が少なく、不安を抱えたまま選択を迫られがちです。
この記事では、私自身の経験をもとに、韓国の育児休暇制度を日本と比較しながら、知らないと損をするポイントをわかりやすくお伝えします。
そもそも育児休暇とは?(日本と韓国の共通点)

育児休暇とは、子どもを養育するために一定期間仕事を休むことができる制度です。出産後も働き続けたい人が、仕事と育児を両立できるよう国が支援する目的で設けられています。
日本と韓国の共通点として、育児休暇は「子どもの成長を優先するための休業」であり、休んでいる間も雇用関係は継続されます。
また、単に休むだけでなく、生活を支えるための給付金制度がある点も共通しています。
対象者についても、日本・韓国ともに正社員に限らず、一定の条件を満たせば契約社員やパートなどの雇用形態でも取得が可能です。雇用保険に加入していることが、育児休暇を利用するうえでの重要なポイントになります。
韓国の育児休暇制度の概要

取得できる期間
韓国の育児休暇は、子どもが満8歳または小学校2年生になるまで取得することができます。原則として1人の子どもにつき最大1年間利用でき、分割取得も可能です。日本よりも対象年齢が高く、「小学生になってからでも使える」という点は大きな特徴です。
給付金の仕組み
育児休暇中の給付金は、会社ではなく国(雇用保険)から支給されます。そのため、休暇中も一定の収入を確保しながら育児に専念できます。支給額は期間によって異なりますが、生活を支えるには十分と感じる人も多い制度です。
申請の流れ(会社 → 国)
まず勤務先に育児休暇を申請し、承認を受けます。
その後、必要書類をそろえて国(雇用保険)へ申請する流れになります。
実務上は会社の人事や事務担当を通して進めるケースがほとんどで、個人ですべて行う必要はありません。
外国人(日本人)でも対象になる?
結論から言うと、外国人であっても対象になります。韓国で雇用保険に加入していれば、国籍は問われません。
私自身も日本人ですが、条件を満たしていたことで育児休暇と給付金を利用できることを知り、「知らなかったら大損だった」と感じました。

私の場合は韓国の小さな老人ホームで1年契約の介護職として働いており、雇用契約書に育児休暇という文字がないことから、私のような契約で最低賃金労働者には適用されない制度だと思っていました。
最初は育児を理由としたやむを得ない退職として失業保険について雇用センターの職員に相談したところ、「復職する意思があり、雇用保険に加入しており、お子さんが来年小1ならあなたが利用すべきは失業保険ではなく育児休暇です」と教えてもらい、会社にすぐに申し入れ(退職3週間前でした)し、認められました。
わが職場の平均年齢は60代で若い職員が少ないため、会社は育児休暇の制度をよく知りませんでした。
私が申し出をしてから事務長が育児休暇について調べてくれて、会社に大きな不利益がないことを知り、許可を出してくれました。
原則、職員から申し出があったら育児休暇の申請を受けなければなりませんが、【ダメ】と言われた場合、3年近く私に良くしてくれた会社と戦わなければならないため、許可がでるまで(3日ほど)はドキドキしました。
日本の育児休暇制度を簡単におさらい

取得できる期間
日本の育児休業は、原則として子どもが1歳になるまで取得できます。
保育所に入れないなどの事情がある場合は、最長で2歳まで延長が可能です。ただし、延長には申請期限や条件があり、手続きが煩雑に感じる人も少なくありません。
給付率
育児休業中は、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。開始から180日までは賃金の約67%、それ以降は**約50%**が支給される仕組みです。収入が減ることは避けられず、家計への影響を考えて早期復職を選ぶ人も多いのが現実です。
よく知られているメリット・デメリット
メリットは、制度として広く認知されており、取得実績も多い点です。一方で、期間の短さや給付率の低下、職場によっては取得しづらい雰囲気があることがデメリットとして挙げられます。
こうした点が、韓国の育児休暇制度と比較する際の重要なポイントになります。
韓国と日本の育児休暇を比較してみた

韓国と日本の育児休暇 比較表
| 比較項目 | 韓国 | 日本 |
|---|---|---|
| 取得期間 | 子どもが満8歳または小学校2年生まで(最大1年) | 原則1歳まで(最長2歳まで延長可) |
| 給付金の割合 | 基本給の80%(3か月後から80%以下に減額支給) | 最初の180日:約67%、以降:約50% |
| 申請のしやすさ | 会社承認後、雇用保険へ申請 | 会社経由で雇用保険へ申請 |
| 会社の雰囲気 | 制度利用が前提の職場も多い | 職場差が大きく、遠慮する人も多い |
| 復職のしやすさ | 休職扱いのため復職が前提 | 復職前提だが、配置転換などもあり |
比較してわかった大きな違い
まず大きな違いは、取得できるタイミングです。
日本では主に0〜2歳までが対象ですが、韓国では小学生になってからでも育児休暇を利用できるため、子どもの成長段階に合わせた選択がしやすいと感じました。
次に給付金についても、どちらも雇用保険から支給される点は共通していますが、「育児をしながら生活できるか」という体感には差があります。
給料ベースで給付金が決定されますが韓国の現在(2026年)の最大給付金は250万ウォン(月)で、バリキャリ、エンゲル係数が高い家庭であればこの給付金で生活するのは苦しいと感じるかもしれません。
そのため、数か月育児休暇をとってすぐ職場に復帰するお父さんも多いです。
また、会社の雰囲気や申請のしやすさは、国というより職場文化の影響が大きい部分です。ただ、制度として「使うことが前提」になっている韓国のほうが、心理的ハードルは低いと感じる人も多いでしょう。
夫は韓国の財閥系企業で部長職をしていますが育児休暇をとった男性職員は夫が知る限り一人で、その社員への男性職員からのやっかみがあったり、事実上昇進が不可能になったりするから自分も育児休暇とりたいけど無理だと言っていました。
その男性は育児休暇を1年とった後、会社に戻らず自主退社したそうです。

育児休暇は取れると思うけど、戻った後が地獄だから自分はとる勇気ない。
夫の会社はそんな感じですが日系企業に勤める知人の旦那さんは、会社の先輩がたくさん育児休暇をとってくれたおかげで申請がしやすい雰囲気だそうです。

韓国では女性は育児休暇を申請する人多いけど、男性への風当たりは会社によって様々です。
一方、教師や公務員は育児休暇を取得するのがあたりまえな風潮です。
教師の義兄は育児休暇を一年まるまる取得して子育てしてました。
実際に韓国で育児休暇を取ることになった私のケース
文中に述べたように私は失業保険の相談のために訪れた雇用センターの職員からわたしも育児休暇で休む権利があることを教えてもらい、急きょ会社に「退職ではなく育児休暇で休みたい」とカカオで伝えました。
すると、「確認するから時間をください」と返事がきて、わりとすんなり快諾されました。
会社が育休について調べてくれて私が育児休暇の該当者であること、給付金を会社が負担する必要がないことを知り、会社に大きな不利益がないとわかったことが理由だと思います。
介護士の仕事は老人の数に対して職員の頭数さえ揃えばいいんです。
私は2か月前から退職の意思を示しており既に私に代わる職員が勤務中であったことも大きいかもしれません。
育児休暇をとる際に会社側ともめたという在韓日本人の方の体験記を読んだことがありますが、私に関しては全然なかったです。
私の会社は職員が50人以下の中小企業だし、外国人も私一人だし、育児休暇をとる職員は皆無なのにです。
それでもちゃんと調べて私に不利益がないように対処してくれる意思があることに感謝です。
韓国で育児休暇を取る日本人が注意すべきポイント

制度への無知
小1の壁にぶつ蚊りそのまま仕事を辞める人も少なくないと思うが、
雇用契約書に育児休暇の文字がなくても雇用保険加入者であれば育児休暇は理由できる。
これを知っているか知らないかで1500万ウォン以上の損失がでるので、気を付けてほしい。
会社ごとの対応
会社によってはすんなり育児休暇取得を許可してくれないこともある。
しかし条件さえ満たしていれば会社は原則育児休暇を許可する義務がある。
その後、戻る可能性もある場所なので揉めたくはないと思うが、1500万ウォン以上の大金がかかっているので毅然と戦ってほしい。
以前の韓国は育児休暇の給付金の75%は休暇中に、残りの25%を復職後に支給するという方式がとられていたが、現在は休暇中に100%受け取ることができるようになった。
育児休暇自体は復職を前提に会社に申請するが、ぶっちゃけ復職しなくてもこちら側にデメリットはない。
会社がどうしても認めてくれない場合は雇用センターに相談するしかないでしょうね。
これから韓国で育児休暇を取る日本人へ
韓国で育児休暇を取ることに、不安を感じるのは自然なことです。言語や制度の違いに戸惑っても、外国人でも法律上きちんと利用できる仕組みがあります。
在韓日本人の育児情報は少ないですが、同じ立場で悩み、乗り越えてきた人はいます。あなたの経験も、きっと誰かの助けになります。



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