韓国の老後資金づくりは「国民年金・年金貯蓄・IRP」の3本柱(いわゆる3階建て年金)が基本です。
公的年金だけでは生活費をまかなうのが難しい今、いかに私的年金を組み合わせて受け取り方を設計するかがカギになります
本記事では、各制度の受取開始年齢や特徴を整理し、税制メリットを最大限に活かした「出口戦略」を具体的に紹介します。
韓国版「3階建て年金」+出口戦略ガイド
第1階:国民年金(국민연금)
老後を考えるとき、いちばん一般的な国民年金です。
枯渇しない金脈の確保には、10年の納付期間を満たすことが条件です。
概要
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日本の国民年金に相当。全国民が加入対象。
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加入期間に応じて終身年金を受け取れる。
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月収の9%(本人4.5%、雇用主4.5%)を納付。
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受給年齢:現在63歳(2033年までに65歳に引き上げ予定)
メリット
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物価連動型で、生涯受け取れる安定収入。
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長生きリスクへの備えとして最重要。
注意点
受給額は平均所得者でも月約60~80万ウォン程度と少なめ。
→ 補完が必要。

韓国在住ならおすすめは4大保険加入の勤務先を探し、働きながら半額会社に国民保険を払ってもらう方法。
10年間の加入期間が必要なため、支給開始になる65歳までに計画的に納めておきたいところです。
韓国在住者は任意で日本の年金に加入することもできるけど、韓国で働きながら納めれば半額は会社に払ってもらえるのでお得です。
日本の国民年金は所得にかかわらず定額制ですが、韓国の国民年金は所得により納付額が変わり低所得者によりメリットがある制度になっています。
第2階:年金貯蓄(연금저축계좌, Pension Savings Account)
銀行にただお金を眠らせておくのはもったいない。
年金貯蓄口座で節税しながら運用し、長い時間をかけて資産を増やしていきましょう。
ここで育てた資産は55歳から受給が可能です。
概要
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個人が任意で加入する私的年金制度。
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銀行・証券会社・保険会社などで開設可能。
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年間400万ウォンまで所得控除を受けられる。
投資運用
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預金・投資信託・ETFなどで運用可能。
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利益は課税繰り延べされる。
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55歳以降に年金形式で受け取る場合、低税率(3〜5%)で済む。
ポイント
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長期運用で税優遇+複利の効果が大きい。
- IRPよりも引き出し自由度が高い。
第3階:IRP(개인형 퇴직연금, Individual Retirement Pension)
個人型IRPは個人で納める退職年金です。
この口座では3割を安全に運用(債券など)、7割をアクティブに運用するというルールや制約があります。
この制約は年金を増やすことよりも「減らさない」ために設けられているのですが、私のようにリスクをとっても増やしたい者からすれば堅苦しい口座です。
所得が低い人は年金貯蓄口座への満額入金すれば追加で節税メリットもないため、私は来年からは個人型IPRはお休みして(運用している口座を65歳まで放置)、1月ころに会社から退職金が振り込まれるDC型IRPの運用をすこしすることになる思います。
概要
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退職金を受け取るための口座だが、個人拠出も可能。
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年金貯蓄と合わせて年間最大900万ウォンまで節税対象(年金貯蓄400万+IRP500万)。
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運用商品:預金、債券、ETFなど。
メリット
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年末調整で大きな節税効果(最大148.5万ウォン還付)
→低所得者には恩恵なし。
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老後資金を確実に積み立てながら投資運用ができる。
注意点
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原則55歳まで引き出し不可(年金目的限定)。
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年金形式で受け取らないと税優遇が消える。
3制度の組み合わせ方(積立・節税・出口)
| 目的 | 手段 | 税優遇 | 引き出し時期 | 税金(受取時) |
|---|---|---|---|---|
| 安定・基礎年金 | 国民年金 | ×(義務) | 63歳〜 | 非課税 |
| 節税+運用 | 年金貯蓄 | 年400万ウォン控除 | 55歳〜 | 3〜5% |
| 退職金・上乗せ | IRP | 年500万ウォン控除 | 55歳〜 | 3〜5% |
🧮 有利な「出口戦略」
①まず節税枠を最大限活用
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年金貯蓄(400万)+IRP(500万)=年間900万ウォン拠出が理想。
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所得控除により年末還付金が10〜15%程度戻る。

年末還付金も投資口座で運用し更に利益率を上げていく。
②55歳以降、年金形式で分割受け取り
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一括受け取りではなく「5年以上の分割」で受け取ると、
低税率(3〜5%)が適用される。 -
一括受け取りだと最大16.5%課税になるため注意。
③ 投資商品の出口タイミング
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55歳直前にリスク資産を安定資産(債券・MMF)へシフト。
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IRPや年金貯蓄の中でETFなどを積み立て→リタイア時に安全資産化。
まとめ:韓国での最適な老後設計モデル
| 年代 | 戦略 |
|---|---|
| 30〜40代 | 国民年金加入+年金貯蓄・IRP積立(節税+運用) |
| 50代 | 運用リスク縮小、受け取り方法のシミュレーション |
| 55歳〜 | 年金形式で受給開始(3〜5%課税) |
| 63歳〜 | 国民年金+私的年金の二重受給スタート |
国民年金、IRP、年金貯蓄
この3つの制度をうまく利用することによって勤労所得を節税しながら老後まで運用で膨らますことができます。
55歳から年金貯蓄口座から、
65歳から国民年金の受給とIRP資産の取り崩しが可能となるので、
50代から計画的にリスク資産を安全資産にうつせば暴落にも耐えうる老後資産をつくることができるでしょう。
所得が低いので個人的には自由度の高い年金貯蓄口座の入金で年末調整の還付金が全部もらえるので個人型IRPはしない方針。
今後は年金貯蓄口座を主に運用しながら、退職金が振り込まれたらDC型のIRPにちょこっと手をいれるくらいでいいかと思ってます。


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